日時:平成25年4月5日(金) 11:00~11:30
場所:奏楽堂?
式次第?
1. 奏楽
2. 入学許可
3. 学長式辞
4. 役員等紹介
5. 奏楽
4月5日(金)、11時より奏楽堂にて平成25年度入学式が挙行されました。
邦楽科教員が奏でる「英執着獅子」(杵屋弥三郎作曲)の雅やかな調べで迎えられた今年の新入生は、学部486名、大学院修士課程391名、大学院博士後期課程50名、大学別科28名の総勢955名。
宮田学長は、式辞の最中に壇上で「作」という文字を揮毫(きごう)して掲げると、「小枝を束ねて垣根を作る様子を表すこの字は、一人一人が団結して物事に取り組み、掲げる理念を形にすることにも通じている。これからの学生生活はあっという間に過ぎるのだから、明日と言わず、この文字が示すような心をもって、今からすぐに前進を始めてもらいたい」と述べ、大学生活のスタートを切る学生たちにエー ルを送りました。
入学おめでとう。
世界に誇れる、わが東京藝術大学に入学できたことは、誠におめでたいことであります。諸君は人生のなかで非常に大きなハードルを乗り越えて、そして今日を迎えたことでしょう。その厳しい道のりは、すべての大きな経験となり、入学後にしっかりとした基礎力となって、大学生活を送る糧となります。
本学の特色は、藝術家を育てること、これは当然のことですが、藝術を通して日本の国づくりをすることも目的の一つであるということをしっかりと心に刻んでおいてもらいたい。
昨年、創立125周年を迎えました。記念事業として藝術の「連携と共生」というテーマのもと、本学でサミットを行い、日本はもとよりアジアの多くの藝術系大学の先生方にお集まりいただきました。そしてアジアから世界へ文化藝術を発信しようという旗印のもとに、サミットは大成功を収めました。そこには先生方や事務職員そして、学生諸君の多大な尽力があったからこそです。
今年は創立126年目の年です。大きな目標を持ち、新たな第一歩を踏み出すために諸君のフレッシュなパワーが必要です。その第一歩を踏み出す日が今日です。
新しい未来を創造する科学技術、あるいは経済の世界においても、中心的機動力を発揮するには、芸術的な感性が必要不可欠であり、それが非常に要求されているのです。その感性を磨くために、本学で学べる教養教育はもちろん、あらゆる芸術において深く深く諸君は学んでいただきたいと思います。
今日はそういうものを含めて、あなたたちに……ちょっと時間をください。
(揮ごう)
これは、殷?周の時代に青銅に鋳込まれた金文。何が書いてあるかわからないね。これは、「作(つくる?さく)」。この「作」のこちらの字は「乍」、もともと小枝を束ねて垣根を作る。そういう文字です。
垣根は土手がもし崩れたとしてもそれを防ぐ為に、あるいは一つのものを「乍」(つくる)ときに、同じ目的や目標をもって進んでいく。一人一人が団結して物事に取り組み、掲げる理念を形にすること、そういうことにもこの「作」というのは通じる。「つくる」、「おこす」、「はじめる」、「立ち上がる」、そういうものがこの「作」という言葉に込められているのです。
諸君は今日、入学しました。4年間あっという間です。大学院の2年もあっという間、博士もあっという間。ですから貴重な勉強ができる環境の中で、明日と言わず、今日から、この文字の示すように、「作」という心で、すぐ前進してもらいたい。
心から諸君に入学のお祝いをしたい。どうだ。立ち上がって、自分自身を、そして初めての隣にいる友を、祝福し合おうではないか。立って。
おめでとう!(会場から拍手)
ハイタッチをしよう!
気持ちがいいでしょ。最初に立つ時の勇気はちょっと怖かったかもしれない。立ち上がって手を叩いて。もっとも、手を叩くという習慣は昔、日本にはなかった。拍手の歴史などはほんの100年のものでしかない。しかしこの「作」を見ればわかるように、ハイタッチすること、まさしく人と人との垣根をつくることである。「作」というのはそういう意味も込められている。
今の会場の盛り上がりが皆さんの保護者の方に届いているかどうか。ちょっと時間をください。
(学長がスマートフォンを取り出し、父母会場にいる事務職員に電話する。)
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(学長) もしもし、こちらは奏楽堂入学式会場ですが、そちら保護者席はどうですか。
(父母会場) 「こちら、体育館の父母会場でございます。」(歓声)
(学長) 盛り上がっているね。
(父母会場) はい、お聞きいただけましたでしょうか。
(学長) よし聞こえた。
(父母会場) 皆さん、真剣な面持ちで式を見守りつつ、お子様方の晴れの日に非常に盛り上がって
おります。
(学長) ありがとう、それではこの後も任務をちゃんとやるように。
だいじょうぶみたいだ。
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さあ、改めて入学のお祝いをしたいが、ここまで育ててくれた保護者の皆さんに感謝をしてください。保護者の皆様は、これからが勝負ですので、色んな意味で若き次世代の若者たちにそして同時に東京藝術大学を支える「フレンズ」になって頂きたい。かように思っております。
入学おめでとう。